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「銀座」という街 [思いつくままに]

幼稚園まで川崎に住んで、小児ぜんそくを治すため愛媛に移住。
高校は博多で通い、卒業して愛媛に戻る頃には
東京へ出ることを決めていた。

母は銀座でホステスをしていたし、
小さい頃、関東圏に住んでいたからか、
上京への緊張感や気合いはさほどなかったと思う。

それでも、銀座は特別な街だった。

銀座は、大人度数が高くて、
大きな街なのに雑然としていない。
昼夜の顔を、はっきり持っているところも好きだった。

敷居の高い店も多いけど、
ひっそりと営む唯一無二な店たちの、
ショウウィンドーを覗くだけで、わくわくした。

いつだったか休日の昼間に、
銀座の一日を追ったドキュメンタリーを何気なく見ていたら、
ホステスがアフターで屋台に寄っている映像が映った。
顔は映らないようにしてあったが、
屋台の暖簾から覗く「絞り模様の道ゆき」は、
紛れもなく母のテビロテアイテムだった。

酔っぱらってハイテンションな喋り方も、
私が小さい頃から嫌いな母の様子だった。

ボーっとした休みモードの時に、
かなりビックリした覚えがあるが、
母が働く街・銀座への親近感につながったとも思う。

そういえば、母と一緒に暮らした高校時代。
ある日突然、こう言った。
「私、銀座へ帰るから。あんた卒業するまで一人暮らししなさい」。
中州で営んでいた倶楽部を手放すことになったための決断だったが、
その辺の事情を知らなかった私は「なんて自分勝手な人だ」と憤慨した。

今思うと、
「銀座へ帰るから」と宣言した母もまた、
銀座への特別な思いがあったのかもしれない。

その母も10年以上前に、逝ってしまった。


上京して30年近くなる。

買い物なら銀座、
勤め先になった時代もあったし、
結婚式も銀座で挙げた(そういえば!)。

それが近年、ほとんど銀座へ出掛けなくなった。
昼の銀座は、今や中国人観光客の独壇場。
コスメ売場を荒しまくり、中央通りを団体で占拠している。

私にとって銀座は「思い出の街」に、なりつつあるのかも知れない。



…はっ!!
シャープに続き、今昔を憂う話題になっている…。
歳、ですな〜。

タグ:銀座
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